ごまみそミックス

ビデオゲームに関するメモ by competor

SOLAS 128 のゲームデザインが自分には合わなかった話 / Why I stopped playing SOLAS 128? (Thinking about game design)


English : https://gist.github.com/competor/cf4e8aa5bed48ed4b64472e45a9b1f1f

どうした!?

SOLAS 128 のプレイリスト

録画内での完全クリアを放棄しました。何が自分と合わなかったのか、各パートを追いながら、良い点👍、悪い点👎、の両方の発言内容を順に見てみます。全て私の主観です。

#1

4:28 👎 赤色に別の意味を持たせている

このゲームは3原色が重要なキャラクターなのに、その重要な色という要素に、『ピンクは移動、赤は回転』というルールを追加してしまっている。ゲーム開始直後にいきなり赤色が持つ役割が増えたことに戸惑ってしまった。壁、設置不可の斜線、ミラー自身がすべて無彩色なのに、何故この情報を色で提示したのだろう。形状やアニメーションでは駄目だったのか。

6:18, 8:20 👎早送りすると曲が滑稽になる。だが、👍早送りボタンの実装自体はOK

カセットテープ風の演出なのでしかたないですが、かっこいい音楽なのだからピッチは上げない、途切れさせないように出来てたら良かったな、という感想。

#2

13:30 👎 白色の意味が複数あり、混乱する

ミラーは白色で、光を反射する。壁は白色で、光を反射しない。どっちも同じ白なんだあ……。

18:50 👎👎 光の衝突ルールがわかりにくい

黄色と赤が45°と270°の方向から衝突したときに、157.5°ではなく180°に反射する。なんで?斜めの135°ではなくて真横の180°を選択するのもなんで?元の光の合成数が多い方が質量が重いからより角度が曲がりにくいんだよ仮説や、この世界では斜めより縦横に曲がる方を優先するんだよ仮説など考えましたが、自分の納得がいく回答にはなりませんでした。コアなメカニックなのに自分の直感と食い違うので、今後もずっと引っかかり続けます。

これを、「この世界ではそういうものなんだよ」とプレイヤーに納得させたければ、そのチュートリアルを丁寧にやるべきでした。少なくとも、この動画のような複雑な盤面で出すものではない。

22:50 👍 色を形で識別できるようにしてある

RGB⇔CMYの色合成って、理屈はわかってても脳内で対応する色を変換するのが苦手な人も多いので、アイコンで何を合成しているかが理解できるようになっているのは良い。Filamentってゲームでは< | > の3つの線でRGBを表していました。個人的にはFilamentのほうが分かりやすいと思います。

#3

32:50 👎👎 4の倍数のビートを合わせるのが楽しくない

少なくとも、グリッドが偶数移動マスと奇数移動マスの見分けができるといいのかなあ?と思ったり。これもコアメカニックでありながら、論理パズルのように事前に計算して求められるようなものではなくて、とりあえず作ってみてからうまく拍が合う場所を調整し続けるという解き方をしないといけない。個人的にそういうのはあまり好みではない。なぜならそれは頭じゃなくて手を使う作業だから。思考パズルとして魅力的ではない。

14:17 👎 勝手にマウスがグリッドに吸い寄せられる

この機能のONOFFをオプションに追加してください。変な誤動作して思ったところに置けないので私には不要でした。

30:20 👎 アイテム共有のチュートリアルが、ゴリ押しアクションで突破できてしまう

マズイでしょ。と思ったが、光が一定のテンポで出続けるゲームだからそれを利用したアクションは出来てしまう(というか後半でそれを使う。光を一粒だけ取り出すとか。)から、あながちこのゴリ押しが間違った行動と糾弾することも出来ないのが辛いところよな。Entanglement: Chapter 1 ってゲームで、射出した光子をアクションで送り込むってテクニックを経験していたのでSOLASでもそういうの来るよなと頭のどこかで思ってた。

#4

5:39 👎 正方形は45°、菱形は90°を表す

普通は逆じゃない?正しい見方は、これは正方形ではなくて4つの矢印の集合体で、その矢印の向きは、『入力に対して相対的に斜めに飛ばすか縦横に飛ばすか』を表している。ということなのですが、自分の感覚とゲームの実装が真逆だなあと思いました。

12:30, 33:43 👎 光の衝突ルールがわかりにくい

同上。

37:45 総括

#5

16:47 👎 隠し通路

隠し通路。どうですか?皆さんは好きですか?隠し通路。メトロイドヴァニア系では無いと駄目な必須ギミックだし、マリオメーカーでは入れるとキッズ乙と罵られる。隠し通路は「何か一捻り入れてプレイヤーを驚かせたい」と思うすべてのゲーム制作者にとって手軽に実装できるギミックですが、ゲームによってその評価は様々。

どうですか?パズルゲームで隠し通路。「実はこの壁だけは通れます。試行錯誤してたら気づくでしょう?」って言われたら納得できる?少なくとも、このゲームの「明らかにおかしい位置に扉がある」のように、思考のきっかけを作るのは最低条件だと思う。それが無いと理不尽(≒クソゲー)だから。

じゃあ、正しく導線を与えられるならば隠し通路は実装して良いのか?これがNOだと思うのです。え?なんで?なぜなら、隠し通路は、『一つでも存在させてしまうと、今後そのプレイヤーは、ゲーム中ずっと隠し通路の存在を考慮に入れ続けなければならない』からです。これってつまり、結局は『全エリアの全チェックをプレイヤーに強いている』ことになる。製作側にそんなつもりはなくて、ただの一発ネタだったとしても、プレイヤー側の心理はもう汚染されてしまい、戻らない。UNDERSTANDってゲームでも、これ有ったんですよねぇ……。あの恐山氏でさえも「嫌い」と言っている

本編に全く関係の無い要素であれば、隠し通路、隠し部屋があっても許せるかな。The Talos Principleのような。ただし、「本編に全く関係がないかどうかをプレイヤーが正しく判断できる」ならね…。そういう観点では、ElecHeadの無意味な隠し部屋は、必要な謎解きなのか単なるジョークなのかが判断できなかったからうまく機能しなかった例ですね。(うんこマークは『行き止まりに見せかけて突破口がある』という箇所で出てきたものなので、本当に行き止まりの場所に置くのはレベルデザイン上の一貫性が無い。)

43:00 『現時点では解けない部屋』がわかりにくい。

もう少し分かりやすくしてほしかった。あと、言語依存無しのゲームデザインを突き通してる割には「?」という既存の記号を使ってるのも中途半端だなあと思いました。

#6

28:58 👎👎👎 パズルに必要ないオブジェクトを置いている

プレイヤーを騙す目的のモノのことを赤いニシン(Red Herring)って言いますが、クリアには不要でプレイヤーを騙す以外の目的がないモノが純粋Red Herringです。パズルクリエイターの中でもRed Herringはアリかナシか論が定期的に議論されたりしてます。自分は、『プレイヤーが気持ちよく騙されたならアリで、そうじゃなければナシ』です。つまり正解は無く主観でしかない。でもその主観の根拠になる理屈はあるはずで、それを言語化しようと試みているのですが。現時点での自分の考えでは、こうです。

純粋Red Herringは、デザインとしてダサいからナシ。一見Red Herringに見えて、解く過程で実は想像もしないような使い道があるんだよ!というのは気持ち良い騙しだからアリ。

うーん、でもこの面は見た目が美しいから別にいいじゃん、という意見もあるだろうけど、その見た目のための設置物がパズルの妨害をしていたら、やっぱり駄目じゃない?景観をとるか機能を取るか。パズルに影響ないなら、見た目がよいほうがいいですよ。Baba Is You で、アクセスできない壁の向こう側や、ゴール付近に草が生えてたりするの、雰囲気を伝えられるから良いじゃんね。

#7

特になし。👍難しくて面白い。

#8

12:30 👎 巨大な盤面はプレイヤーを悩ませない工夫をしたい

シンプルに難問。自由度は苦痛度です。パズルにとっては。そこで、パズルに様々な制限を入れることでプレイヤーの思考を誘導したりするのですが、ではこのレベルでは、例えば床の誘導模様は不要なものを削るとか、配置できるマスをもっと少なくするとか、光が通らないように壁を増やして経路の選択肢を狭めるとか、色々とできそうです。Filamentってゲームがそうなのですが、膨大な選択肢が待っているパズルって、1手目が一番難しいんですよね。

17:40 👍 良いRed Herringの例

#9

29:40 👎 iボタンで表示される情報に価値が無い

iボタンを押したら表示されてるオブジェクトが変わっている…。こういう想定しない現象が起こるとプレイヤーには奇妙に感じてしまう。この information sign の伝える情報が微妙で、いまいち存在意図が分からなかった。(1)見えてないものを見えるようにする(隠し通路、フィルタ下のスイッチ)、(2)ボタンのONOFFを正方形と菱形で独自に表現している。(3)グリッド、斜線床の表示を消す の3つとなっていて、見た目でわかりにくい箇所を補助する機能でしかないので、これってゲーム中の画面UIデザインを改良すればこのボタンそのものが不要だったのでは…とも思ってしまう。

#10

40:55 👎光の一方通行が分かりにくい

光のゲートの入口と出口に付いている"<"や">"の記号が、その光が進める向きを表している。つまり、"<"と書かれていれば光は左に飛ばすことができる。と思っていたんですが、これは間違い。"<" の扉に光を当てても左に出ませんでした。正解は、その扉が設置された壁が窪んでいる側が入口、窪んでない側が出口。わかんね~!

そもそも、窪みの有無で識別しているのも変で、この窪みって、斜めに飛んできた光も扉に届かせるために角を削った、という機能的な目的で設計されたはずなのに、それが入出力記号も兼ねるのは分からなくない?

"<"と">"は、画面遷移可能を表す記号だった?なんというか、こんな所でプレイヤーを混乱させるようなデザインじゃダメだよ…。

#11

1:01:05, 1:12:00 👎👎👎 パズルに必要ないオブジェクトを置いている その2

スイッチが嘘、青い光2本が嘘、背景にある斜線のガイドが嘘、という最悪の面が出てきます。私が勝手に深読みして、赤と青の光を、スイッチを切り替え続けながら上へ送り出す機構をつくる面だと思い込んでしまったのが悪い。でも、チェックポイント直前に出す問題としては不適切だと思う。あえてこういうスカシを出してくるパズルっていうのの面白さは理解してるつもりだけど、このゲームでそういうことされると萎えるな。

ここで決定的に製作者への信頼を失いました。パズルゲームとは、つまるところ、製作者とのパズルを通じたコミュニケーションであり、今回のように「騙された!」「期待した自分が馬鹿だった」といった感情になると、失望したり失恋した気分になったりするんだなあ。

#12-14

👍 緑エリア全体のレベルデザイン

難度が高くてやりごたえがあり、それでいて解法はエレガント。非常に面白かったです。

19:37 👎 ヒント機能が消滅した。

かなり意味が分からない演出。いや、ゲーム演出としての意味は分かるし、パズル的にヒントを出しずらいエリアであることは分かるが、そもそもヒント機能とは何ぞや?ということが分かっていたらこんな演出はしないだろう(Undertaleの真似がやりたかったのかな?)。ヒント機能とは、パズルが解けない人を救済するためのデザインなので、「終盤まで来れるプレイヤーならもうヒントは不要でしょ」と勝手に決めるのは間違いで、どこで使うか・使わないかの判断は常にプレイヤー側に委ねるものであるはず。ゲーム側で「これ以降は使わせないよ」と勝手に制限するものではない。つまり中途半端なのです。ヒント機能を作ったのなら最後まで面倒見ろよ!という一言に尽きる。緑エリアの後半(マップ最上段)はやっぱりヒント欲しいぜ。

とはいえ、この意見は自分でもそこまで納得はしていなくて、「終盤エリアではヒントが出ない設計なのです」と説明されたら(現にそういう実装なのだが)別にそこまで気になるものではない。何だろうな、結果は同じでも、過程が気に入らなかったのかな。

#15-16

42:39 👎不必要な回転盤が置かれている。

またそういうことする…。2枚あって、2枚とも回転の必要が無い、バッドデザイン。

でも自分の考えてた難しさって製作者が想定していないような方向性で考えちゃってたような気がするのです。それは外部から光を持ってくることが可能だったから。光を上から持ってこれないようにデザインすれば良いのにね。今まで次エリアで”光がすぐ遮断される仕組み”=が散々出てきたからこそ、ここが光を”あえて通せる”ようにしてある、という意図を勝手に勘ぐってしまうのですよ。だってこれはパズルゲームだから!

#17

3:00, 19:20 👎複数画面の往復が必要なのに、移動時間を短縮する手段が無い。

無意味な待ち時間だけがそこに残った。ドア1個設置するだけで解決できるのに。マップ開いてゆっくりスクロールするの待ってる時間が無駄。これは、マップの移動時間をそもそも短くするか、移動せずとも近傍エリアは見られるような設計で解決可能な問題。複数画面の行き来を前提にした設問はゲーム中に何回も出てくるのに、何故移動時間が課題にならなかったのか。Obduction っていうゲームでも、2つの世界を頻繁に行き来するパズルがあるのですが、一回の移動に二十秒待たないといけないので本当にうんざりしました。同じように、全体マップを見渡すパズルゲームで A Monster's Expedition がありますが、こちらの場合は、移動先を選択したら一瞬でファストトラベル可能。パズルに必要な周囲の状態も手軽に見ることができました。そのデザインと比較すると、本ゲームのマップには使いずらさを感じてしまいます。

派生:👎全体マップの使いにくさ

他に、マップの不使用エリアの扱いが最後まで不明なままなのも気になるポイントでした。何も無い空間なのか、まだ訪れていない部屋があるのかが、地図上では判断できない。座標は存在するのに、部屋が無いから入れない。

では例えば、iボタンが、この全体マップでも利用できるとしたら?全体マップでiボタンを押すと、未解決状態の部屋が光ることで現在のタスクが認識可能になる。侵入不可能な座標はメイン面と同様に設置不可の斜線模様で表すことで、部屋の有無を把握できる。この機能はエンディング後に使えるようにする。割と良いのではないでしょうか。

ああ、そうなると別のアイデアが出てきます。メタパズルとして、この全体マップも通常の面と同様に操作可能になり、各部屋を再配置可能にしてしまうというのはどうでしょうか。『ピンクは移動、赤は回転』のルールに適合する部屋であれば、マップ上を移動させることができる。すると光の侵入経路を大きく変えてしまうことができる。これもこれで面白そうではあります。

17:10 👎👎フィルタの根元の背景が1マスだけ開いてる。

そういうことするから嫌われるんだぞ。案の定というか、iボタンを使ってもここは視認できない。論理で解くタイプのパズルにおいて、重要な情報が隠されているのは好みではない(探し物ゲームが苦手なので)。

#18

1:02:30 『現時点では解けない部屋』がわかりにくい その2。

光を送出するのが部屋の左上じゃなければこの勘違いは回避できた。

1:15:24 全体総括

配信外で隠し要素の4つの文字を全部回収した。そのうちの一つに、「画面端じゃない所にある扉をクリックすることで隣に移動する」ってのがあって、やってるな~と思った。

結局のところ、大半のステージは問題なく楽しめたのだが、上記の疑問点が自分にとってかなりネガティブな印象を植え付けてしまい、トータルで楽しめなくなったという感じでした。