以前、脳がバグるゲーム というのを記事にしましたが、特に近年増えつつある(?)、箱の中に入ると、その箱もレベルになっている というメタ構造な倉庫番ゲームをまとめておきます。
最近のしか知らないので、いやこれ忘れてるよってのがあったら教えて下さい。
- 1. sokosoko [by juner]
- 2. Baba Is You [by Hempuli]
- 3. Patrick's Parabox [by Patrick Traynor]
- 4. Inbox Unbox [by pancelor]
- 5. self reflection [by torcado]
- 6. Y-Sokombanator [by e-neighborhood-watch]
- 7. Edge Not Found [by Auroriax (Tom H.)]
- 8. Justas Dabrila's Puzzle (TBD)(開発中なのでまだタイトル無し)
- Ex-1. BoxUp [by Andrea Gilbert(Clickmazes)]
- Ex-2. Recursed is not Recursive: A Jarring Result [by Erik D. Demaine]
- おわりに
1. sokosoko [by juner]
2018年に制作された本作が、自分の知る限り最も古い作品。PICO-8製。
レベル=箱 で移動可能、レベルそのものの中に異なるレベルが入る、箱に空間があればプレイヤーや物体の出し入れが可能、という再帰倉庫番の基本をいきなり全部完成させてしまった傑作。難易度が高いのも特徴。
このゲームのインスパイア元はRecursed だそうです。*1
Cross by juner
作者のjuner氏は、2017年にはCrossというゲームをリリースしています。同じ色の背景なら線は共通という俯瞰視点が出来ないとクリアできないルール。
2. Baba Is You [by Hempuli]
忘れちゃいけない。本作の重要な要素はノーマルエンディングを見ただけでは分からないので、詰んで積んでる人も、WELCOMEという単語にピンと来てない人も、ぜひ完全攻略しよう!
余談ですが、ユーザーカスタムワールドだと、本当に再帰が作れてしまいます。昔Baba Is You のDiscord Serverで、5x5のマスのみでレベルを作るコンピ企画があったんだけど、その中に再帰レベルを活用した非常にヤバい作品があった(名前失念)。
3. Patrick's Parabox [by Patrick Traynor]
一躍この手の再帰系倉庫番の名を広めた作品(まだリリースされていない)。
Patrick's Parabox PuzzleScript demake [by competor]
上記ゲームのデモ版を触ってみて、もっと難しく出来るのではないか?と思って私が勝手に作ってしまったデメイク*2作品。
レベル5までは原作のままで、レベル6以降が自作レベルです。
PuzzleScriptでどうやって再現しているかというと、パワーです。
魚醤氏による完全解説記事もあります。ありがとう。
4. Inbox Unbox [by pancelor]
ほぼ同じコンセプトのゲーム。Patrick氏と同時期に同じようなコンセプトのゲームを開発してたらしい。こちらはSokosokoがインスパイア元。
but hey, this second one came together quite nicely without much trouble! (2/2)
— pancelor (@pancelor) 2021年3月20日
(the game is Inbox Unbox! https://t.co/s9Ko8SFEgE) pic.twitter.com/EqMaGpF4M2
5. self reflection [by torcado]
Ludum Dare 48 の短編パズル。各箱の中にいるプレイヤーを誘導するために、箱を出たり入ったりするパズル。次の箱に入るためにはプレイヤーの発するビームをミラーに反射させて、自分自身に当てる必要がある。何だこれは?何をすればいいのだ?という所からの手探りで進む感覚が楽しい作品。
🟩 self reflection
— torcado (@torcado) 2021年4月26日
🟦 look deep within yourself
🟨 made for #LD48
🟥 https://t.co/UIQerYYQjm pic.twitter.com/bBZbpKQ0fp
6. Y-Sokombanator [by e-neighborhood-watch]
Ludum Dare 48 の短編パズル。基本の倉庫番ルール(2つ以上は押せない)に、シフトを押しながらだと箱に入れるというギミックを追加。
箱Aの中には箱B、および箱を運ぶ目的地Bがあり、目的地に箱Bを置くと、箱Aが箱Bと同じ色になる。箱Aに壁Aがあり、箱Aの色と壁Aの色が一致すると壁Aは通過可能になる。何言ってるかわかりますか?プレイしたほうが早い。
何度も出入りしてると現在地がどこなのかわからなくなって迷子になる。シンプルに倉庫番として難しい(嫌らしい)。後半の紫色ステージがよく出来ています!おすすめ。
あと曲がいいです。しんみりしてて、素朴で、色が付くと曲が変わるのが凝っている。
7. Edge Not Found [by Auroriax (Tom H.)]
こちらは枠内のエリアが枠外にも無限に拡張されているタイプ。
枠から飛び出したら逆側から入り込んでくる!後半は枠の配置パターン自体を変更できるようになって見てて楽しいし解いてて辛い(褒め言葉)。
8. Justas Dabrila's Puzzle (TBD)(開発中なのでまだタイトル無し)
Justas Dabrila氏が現在開発中のゲーム。部屋そのものが操作できるメタ倉庫番。
A Microchasm.#gamedev #indiedev pic.twitter.com/4HNQGgQTuf
— Justas 👍 (@Justas_Dabrila) 2020年10月22日
Ex-1. BoxUp [by Andrea Gilbert(Clickmazes)]
番外。再帰ではないけど親子構造を使ったパズル。
青の中に赤の箱を入れればクリア。ただし、箱は内部に入らないと動かせない。マス数は少ないのになぜこんなにも難しいのか。
http://www.henleymob.co.uk/JSGames/Boxup/Boxup.html
Ex-2. Recursed is not Recursive: A Jarring Result [by Erik D. Demaine]
番外。Recursed に関する論文(ISAAC 2020)。
Erik D. Demaine, Justin Kopinsky, and Jayson Lynch: Recursed Is Not Recursive: A Jarring Result
We prove that Recursed is REcomplete and thus undecidable (not recursive) by a reduction from the Post Correspondence Problem. Our reduction is “practical”: the reduction from PCP results in fully playable levels that abide by all constraints governing levels (including the 15 × 20 room size) designed for the main game.
つまり適当に作ったレベルが、解けるかどうかは誰もわからない(総当りしてもわからない)ということでしょうか?ヤバいですね。詳細は読んでいません(誰か翻訳お願いします)。
ゼリーのパズルはNP困難である てのもあるし、パズルの難しさ、複雑さを定量的に(?)判断する基準としてこういう論文や数値化した何かが出てくると面白いですね(多分もう既に色々考えられているのだろうけど(手数とかネスト数とか)、私の観測範囲外です。詳しい方いたら教えて下さい。)
おわりに
冒頭に書きましたが、最近のしか知らないので、いやこれ忘れてるよってのがあったら教えて下さい。特にゲームジャムの個人制作もので、説明文も簡素なままポッと公開して、そのまま忘れられてる作品ってのが絶対あるはずなので。今回もたまたまLudum Dare 48 でヒットしたから忘れないうちにと思って記事にしたけど、もっと知りたいな。
*1:もう1つは、自主制作アニメーション『the TV show』http://www.youtube.com/watch?v=BQ9YtJC-Kd8